いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士の島田知明です。

「従業員が仕事中にケガしちゃった!」

「どうすればいいの?!」

とパニックにならないための動き方について
説明させていただきます。

まずは、被災者を病院へ連れていく

「あたり前だろ」

とツッコミが入りそうですね。

私の経験で、

「島田さん、従業員がカッターで
おでこを切ってしまいました。」

「大変ですね!
病院へ連れて行かれましたか?」

「まだ連れて行っていません。
取り急ぎ、連絡をと思いまして・・・。」

「すぐに病院へ連れていって下さい!
救急車までは大丈夫そうですか?」

といったやりとりがありました。

パニックになると、分からなくなる

労災の業務経験がある方にとっては
あたり前でも、

  • 労災の業務経験が無い方
  • 労災の業務経験が浅い方
  • 初めて労災があった会社

にとっては、

「突然」の出来事です。

頭の中が真っ白になって、

どう「行動」をとればいいのか、
分からない状態になってしまいますよね。

労災が発生!

「すぐに病院へ連れて行く!」
を意識しておくと良いと思いますよ。

ご家族への連絡

大切な家族がケガをしたら心配ですよね。

ケガの程度にもよりますが、
被災者のご家族への連絡も必要です。

ご家族へ連絡するときは、

  • 社名
  • 仕事中にケガをしたこと
  • 受診している病院名と住所

の3つを伝えましょう。

少しでも早く病院へ行ってもらうことを優先して下さい。

関係機関への連絡

事故の状況によっては、
関係機関への連絡が必要な場合があります。

連絡をすべき主な機関としては、

  • 労働基準監督署
  • 警察署
  • 消防署

があります。

労働基準監督署は、
【事故状況の把握】や【安全衛生の対応】をすぐに行う必要がある場合

警察署は、
【事件性が疑われる】場合

消防署は、
【火災】や【有毒物の流出】が疑われる場合

が一つの基準ですね。

私の経験では、
倉庫内で従業員が倒れていて、目撃者が誰もいない
という事例がありました。

ひょっとしたら、
「事件なのかもしれない・・・。」
ということで、
警察署と労働基準監督署へ連絡したケースもあります。

関係機関へ連絡すべきか判断に迷ったら

「とりあえず連絡する」ことをオススメします。

適切なアドバイスを頂けますよ。

労災の原因と発生状況をまとめておきましょう

  • 被災者を病院へ連れて行く
  • ご家族へ連絡をする
  • 関係機関へ連絡をする

の3つが終わったら、
労災の原因発生状況をまとめておきましょう。

ポイントは、

  • どこで労災が発生したの?
  • どんな作業をしていたの?
  • どんな問題があったの?
  • どんな労災が発生したの?

箇条書きでいいので、
書き出してみてください。

例えば、
カッターでおでこを切ってしまった
場合だと、

  • 会社事務所内で
  • 届いたダンボール箱の開封作業
  • 右手に刃を出したままのカッターを持ちながら作業をしていた
  • ダンボール箱のフタを開けようと力を入れたら、
    手がすべり、
    持っていたカッターがおでこに当って負傷した

1.から4.の流れで、
おおまかな発生状況を作成できますよ。

あとは、細かい肉付けをします。

  • 会社事務所の所在地
  • カッターの刃は何センチほど出ていたのか
  • ダンボール箱のフタが糊付けされていて、
    力を入れて開ける必要があった

を追記するかたちですね。

最後に文章にすれば完成です。
「会社事務所内(大野市中野47-18-4)で届いたダンボール箱の開封作業中、
届いたダンボール箱のフタを開けようと右手にカッターを持ったまま、
フタを開けようとしたが、フタが糊付けされていたため、
力を込めたとき右手がすべり、
持っていたカッター(刃を3㎝ほど出していた)がおでこに当たり負傷した。」

完成した内容は、
リスクアセスメントだけでなく、
労働基準監督署へ提出する書類の作成にも活用できます。

ご参考までに

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社会保険労務士・人事労務コンサルタント 島田知明

1985年 福井県大野市生まれ。福井県立大学経済学部卒。卒業後、地元金融機関に勤務し、所属する支店の全店第2位の成績に貢献、チームワークの重要性を体験。「人の成長」に魅力を感じ、専門家である社会保険労務士合格を志し退社。1年3ヶ月間の無職無収入、派遣社員を経て、大手社労士事務所に8年間勤務し1万件を超える人事労務対応を経験。「社員と会社が互いを尊重し、成長できる環境の実現」を理念に掲げ2019年8月開業。

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