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福井県の社会保険労務士 島田知明です。
昨日、地元大野市のお客様から
「パワハラの相談は監督署で良いですよね?」
とご相談を受けました。
「労務トラブルが発生→監督署へ相談」という流れがあたり前になってきましたね。
ただ、
パワハラについては、労基法等に規定がないため労働基準監督署は取扱いできません。
(あっせん制度について説明される程度です)
というのも、取扱いできる業務が法律で決まっているためです。
各労働行政機関の取扱業務をまとめてみましたので、
よろしかったらご参照ください。
監督署、労働局労働基準部
- 時間外・休日労働の限度、残業代の支払いについて等
- 給与や退職金の不払い、倒産企業の未払賃金立替払い事業等
- 労働基準法、最低賃金法、安全衛生法についての相談
- 従業員から会社の法違反に対する申告受理対応
- 就業規則や労使協定の届出受理や作成相談
- 労災保険の適用と給付
- 労災防止のための指導等
ざっくりと「勤務時間・給与・労災」に関することは監督署
でも良いと思います。
労働局需給調整事業室
- 人材派遣会社や人材あっせん会社の許可、指導、調査等
- 偽装請負、違法派遣等の労働者派遣法違反や職業安定法違反への対応
- 派遣労働者の相談対応
派遣会社以外の方は、なじみが無いかも知れませんね。
「派遣」に関することは受給調整事業室です。
雇用環境・均等室
- 男女差別、セクハラ問題への対応
- 育児介護休業法や女性労働者の母性保護、健康管理への対応
- パートタイム労働者の問題への対応
「男女差別・非正規雇用」に関しては均等室ですね。
今後、「均等室」という言葉を耳にする機会が増えると思います。
2020年からはパートタイム・有期雇用労働法が施行されるためです。(中小企業は2021年から施行)
パワハラに関する法律も均等室が扱います。
同一労働同一賃金への対応に向けて巡回指導が始まりそうですね。
各労働行政の業務について参考になりましたら幸いです。
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社会保険労務士・人事労務コンサルタント 島田知明
1985年 福井県大野市生まれ。福井県立大学経済学部卒。卒業後、地元金融機関に勤務し、所属する支店の全店第2位の成績に貢献、チームワークの重要性を体験。「人の成長」に魅力を感じ、専門家である社会保険労務士合格を志し退社。1年3ヶ月間の無職無収入、派遣社員を経て、大手社労士事務所に8年間勤務し1万件を超える人事労務対応を経験。「社員と会社が互いを尊重し、成長できる環境の実現」を理念に掲げ2019年8月開業。
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