いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士の島田知明です。

助成金についてのお問合せが増えてきています。
今回は助成金申請に備えて
整えておくと良いポイントを中心に記載致します。

適正な労務管理

厚生労働省が取り扱う助成金は、

【適正な労務管理】がされていないと支給されません。

助成金の目的は、
企業の健全な発展としているためです。

いわゆる、
ブラック企業には支給をしない
ということになります。

「適性な労務管理と言われても何からすれば良いの?」
と悩みますよね。

順次ご説明いたします。

労働者名簿・賃金台帳・出勤簿を整える

多くの助成金で共通することは、
労働者名簿・賃金台帳・出勤簿(タイムカード)を申請時に添付する必要がある
ということです。

「この3種類ならありますよ」

と思われた場合でも、

念のためご確認いただけると幸いです。

労働者名簿には、

  1. 労働者の氏名
  2. 生年月日
  3. 履歴
  4. 性別
  5. 住所
  6. 従事する業務の種類
  7. 雇入れ日
  8. 退職年月日とその理由

を記入されていますか?
記入する欄はありますか?

賃金台帳には、

  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間
  6. 時間外、休日労働および深夜労働の時間数
  7. 賃金ごとの種類及び金額
  8. 労使協定により賃金の一部を控除した場合はその金額

を記入してありますか?

特に、

5番目の「労働時間」
6番目の「時間外、休日労働および深夜労働の時間数」

の記入漏れにはご注意下さいね。

出勤簿(タイムカード)には、

  1. 氏名
  2. 出勤日
  3. 始業終業時刻
  4. 休憩時間

を記入してありますか?

いざ助成金に取り掛かったときに
この3種類の帳簿でバタつくことがあります。

ご注意下さいね。

計画届や就業規則の確認

教育関連の助成金
キャリアアップ助成金
育児介護に関連する助成金
をご検討される場合は、
事前に計画届を労働局へ提出しておきましょう。
(すべての助成金ではありません)

計画届の提出期日としては、
取り組み開始日の1ヶ月前が目安です。
うっかり忘れにご注意下さいね。

同じように
就業規則等に規定しておく必要がある助成金もあります。

就業規則の作成や変更には、
従業員(社員)の過半数代表者から意見を聴いて、
労働基準監督署へ提出しておきましょう。

労働基準監督署へ提出するまでに
時間が掛かることが予想されます。

早目にとりかかれると良いですね。

未払い残業代に注意

全部の助成金ではありませんが、
申請書類の中には「賃金計算」を記入する用紙があります。

例えば、
トライアル雇用助成金
特定求職者雇用開発助成金などの

賃金台帳
出勤簿(タイムカード)
を添付する必要がある助成金ですね。

残業代の支給があると
残業代の計算式を確認されます。

確認後、
残業代に支払い不足があると
申請はむずかしくなる可能性があります。

不安でしたら、
事前に社会保険労務士や労働基準監督署へ
残業代の計算方法を確認しておくと良いと思います。

助成金申請で離職率が低下

助成金申請にむけて労務管理を整えていくと、
自然と離職率は減っていきます。

なぜなら、
雇用環境を整えていく過程で、
社内の色々な問題が見えてきます。

例えば、

  • 勤務時間の管理方法
  • 業務の特定の人への集中
  • 規則変更の必要性
  • 社内ルールの見直し

などですね。

これらの問題を
ひとつひとつ解決していくことは、
社内の問題(不満)解決にもつながります。

時間はかかるかもしれません。

でも、
助成金申請の付加価値は、
十分に魅力的だと思います。

ご参考になれば幸いです。

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社会保険労務士・人事労務コンサルタント 島田知明

1985年 福井県大野市生まれ。福井県立大学経済学部卒。卒業後、地元金融機関に勤務し、所属する支店の全店第2位の成績に貢献、チームワークの重要性を体験。「人の成長」に魅力を感じ、専門家である社会保険労務士合格を志し退社。1年3ヶ月間の無職無収入、派遣社員を経て、大手社労士事務所に8年間勤務し1万件を超える人事労務対応を経験。「社員と会社が互いを尊重し、成長できる環境の実現」を理念に掲げ2019年8月開業。

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